『0か1か』ではなく『グラデーションがある』と考えて次の一手を選ぼう。

はじめまして、常盤です。
2019年7月にGraatに入社し、チームプロセス支援を中心としたコンサルタントをしています。

先日開催されたRegional Scrum Gathering Tokyo 2020(RSGT2020)に参加して感じた、ひとつのメッセージについて考えてみました。

具体的なセッションのレポートは斎藤が書いていますので、こちらもぜひお読みください。

今回は複数のセッションに共通して感じたメッセージと、それを体現する上でのポイントをご紹介します。

物事には『グラデーション』がある

RSGT2020の3日間を通して、私が感じたメッセージは『グラデーションを持とう』ということでした。

例えば、スクラムの熟達フェーズ。
1日目のCoplienさんのKeynoteでは禅の【十牛図】と照らし合わせる形で、段階的なものであるというお話がありました。
いきなり段階を飛ばして理想を求めようとするのではなく、現状を知り、次の段階へ着実に歩みを進めることはどんな場面においても大切です。

例えば、メンバーへの権限移譲。
2日目のSahotaさんのKeynoteでは【Decision Cards】を例に「I DECIDE」~「PLEASE LET ME KNOW」まで5段階で権限移譲のレベルを考えるというお話がありました。
今までリーダー/マネージャーが「こうすると決めて指示」していたものを、急にチームに「すべてチームで決めてくれ」と全権移譲する場合。
まずは「決定する前にチームの意見をもらう」徐々に「一緒に相談して決定する」そして「チームの決定にアドバイスをする」といったグラデーションを持って対応する場合。
後者の方が、より柔軟に色々な物事に対応できるのではないでしょうか。

他にも「スクラムの導入」「組織の転換」「マネージャーのX理論からY理論へのシフト」「チームが持つ目的の移行」など、様々なセッション・場面・話題でグラデーションを持って考えることが重要であると考えさせられました。

『0か1か』になっていませんか?

さて、あなたのチームはどうでしょう。
チームを見た時に、次のように考えてしまったことはないですか?

  • ウォーターフォールよりアジャイルだ!

  • スクラムを導入すれば上手くいく!

  • 上手くいかないのはチームを理解しないマネージャーの責任だ!

  • メンバーが自主的に動いてくれない!

これらはグラデーションがなく、『0か1か』ともすれば『白か黒か』という話に聴こえます。
『グラデーションがある』と考えてみると、よりよい進め方が見つかるかもしれません。

『グラデーション』を知ったうえで考えること

さて『グラデーションを知る』ことができたら、あとは全部うまくいくのかというと、残念ながら、そう簡単な話ではありません。
『グラデーションを知る』は前提条件のようなものです。
次に『グラデーションを踏まえて考える』必要があります。

『グラデーションを踏まえて考える』というのは、グラデーションの中での自分たちの立ち位置を捉えることから始まります。
そして、目指す位置を定めて、どう進んでいくか?次の一歩をどこにするか?次の一手に何を選ぶか?と考え尽くします。
次の一手を決めて実施し、次の一歩の場所に辿り着けたかどうか?を検証し、また次に向かう位置を定めるという繰り返しです。

RSGT2020で出会った事例はどうだったか

RSGT2020中、この『グラデーションを踏まえて考える』プロセスへの言及には、あまり出会えなかった印象があります。

『0か1か』に近い捉え方で、「この場合はこのソリューション」と、特定の場面で特定のソリューションを導入した事例を知ることはできました。

また、グラデーションを当たり前のものとし、既存のソリューションに捉われない思考と選択を、外から見ると天才的に行っている事例もありました。

いずれも効果的な対応ではありますが、実際に自分のチームに持ち帰ろうとしたときには、一筋縄ではいかないのではないでしょうか。

  • うちは××を導入したけど上手くいかなかった

  • 〇〇さんだからできるんだよ

という話は「あるある」です。

自分たちの本当の悩み事にフィットするソリューションを選択&導入していくという再現性のあるプロセスが加わると、よりよいと考えています。

『グラデーションを踏まえて考える』プロセスを体感してみませんか?

日々のチームプロセス支援において、終わりのない改善に疲れているチーム、プロセスが出来上がっていない段階でラスボスに挑むチーム、次に立ち向かう問題が見つけられずに停滞しているチーム、様々な光景に出会います。
チームの中にいると、客観的に捉えきれずについつい目の前のソリューションに飛びつきやすいという側面もあるのかもしれません。

RSGT2020のように多くの人が熱量を持って集まる場で、『グラデーションを踏まえて考える』ことについても議論される機会があるといいな!と考え、DevOpsDays Tokyo 2020にプロポーザルを出してみたところ通りました。

この記事よりも少し詳しく書いていますので、ぜひプロポーザルも読んでみてください。

そしてご興味を持たれたら、ぜひ当日の発表を聴きに来てください。

「自分はこう思うよ!」「うちのチームはこうだけど、どう?」「だったらこんなパターンもない?」と、よりよい未来のための議論ができたらうれしいです。