株式会社IM Digital Lab 代表取締役社長 三部智英様株式会社IM Digital Lab 代表取締役社長 三部智英様
事例紹介

創業約350年、三越伊勢丹が培った資産がデジタル化されて新たな可能性を生んだ。 その裏には、Graatによる組織変革があった

株式会社IM Digital Lab 代表取締役社長 三部智英様
株式会社IM Digital Labhttps://www.imd-lab.co.jp/

三越伊勢丹のデジタル部門を担う同社は、2019年の創業以来、三越伊勢丹が培ってきた資産にITをかけ合わせ、新たな買い物体験を生み出しています。百貨店の強みである“お客様視点”を活かしたサービス開発をするために、エンジニアやUI/UXデザイナー、お買場のスタイリストなどあらゆる領域のスペシャリストを揃えています。百貨店の強みである“お客様視点”を活かしたサービスが特徴です。

三越伊勢丹には「経営とITを繋ぐ存在」が必要だった

貴社の会社概要や事業、ミッションについて教えてください
ミッションについて語る三部智英様

2019年の創業以来、「伝統×テクノロジーで小売の未来を切り拓く」をビジョンに掲げ、三越伊勢丹が約350年かけて培ってきた資産に、デジタルやクリエイティビティをかけ合わせ、新たな買い物体験を生み出しています。開発チームには、エンジニアやUI/UXデザイナーはもちろん、お客様のリアルな声を知るお買場(※店頭の売場のこと)のスタイリストもいます。百貨店の強みである“お客様視点”を活かしたサービス開発が特徴です。

具体的なサービスは、『三越伊勢丹リモートショッピングアプリ』や『Your FIT 365』シリーズなどです。前者のアプリには、チャット接客やショッピング、接客予約、ビデオ接客などの機能が搭載されています。一般的なECサイトとは異なり、アプリ上で百貨店の上質な接客を受けたあとに、リモートで購入することができます。後者は3D足型計測器を用いた靴のフィッティングサービスで、婦人版と紳士版があります。計測したデータは、店頭での靴選びに役立つことはもちろん、ご自身のスマートフォンでも確認でき、オンラインショッピングにご活用いただくことも可能です。今後もお客様に求められるサービスを随時リリースしていく予定です。

サービス導入前の問題・課題を教えてください

「経営とITのギャップ」に課題を感じることが多くありました。近年のシステム開発では、業務改善を目的にしていたのに、リリースしてみたら、想定したほど業務が効率化されなかったり、逆に付帯業務が増えてしまうようなことが起きていました。その大きな要因としては、三越伊勢丹の今までのアナログなやり方と、最先端の業務フローやシステムを融合させられなかったこと。そして、デジタルを使って新しい業務を作り上げていきたいメンバーと、現場に混乱が起きないように現状の業務を維持していきたいメンバーの間に温度差が生まれたことだと考えています。これは双方のメンバーの問題ではなく、会社としてITが目指すべき方針を明確にできなったことが原因だと思っています。経営とITをつないでいく必要性があると強く感じました。

Graatはサービス開発と組織変革を並行して実現

Graatに依頼した決め手を教えてください 

経営とITをつなぎながらDXを促進するためには、DXに知見のある外部企業とパートナーシップを結ぶ必要があると考えていました。特に三越伊勢丹という大企業かつ老舗企業の場合、長期的な視点で取り組むことが必要です。そのため、三越伊勢丹のことを本気で考え、共に課題に向き合いながら歩んでいってくれる企業を探していました。 そこで出会ったのがGraatさんです。GraatさんはDX向けのコンサルティングサービスを提供しているだけではなく、顧客と長期的な関係を前提に支援をすることが特徴です。これほど最適なパートナーはいないと思い、Graatさんに支援を依頼することにしました。

サービス導入後の効果を教えてください

サービス導入当初、弊社の主要サービスであるYourFIT365の構想段階で、開発フローなどをGraat代表の鈴木さんに相談したところ、「お客様に喜ばれる高品質なサービスにするために、まずはチーム体制を整えていきましょう」と、以前からの課題に切り込んでいただきました。当時弊社メンバーの多くは、DXに関する知見が深くなかったため、Graatさんの「デジタルサービスデザインワークショップ」を活用した「お買場ワークショップ」を実施して、サービス開発に参加するお買い場のスタイリストに、DXの基礎知識からインプットする機会を作ってくれました。その結果、社内全体でもデジタルサービスの作り方に対する理解が深まり、YourFIT365の開発が順調に進みました。プロジェクトの課題を解決する中で、そこに参加するメンバーの意識や仕事の仕方も変革することができ、大変感謝しております。

そして、経営会議で三越伊勢丹のDX推進の課題について議論したところ、「三越伊勢丹が培ってきた資産を活かしながらDXを推進する」という方向性が決定し、それを実現するために、デジタル部門を担うIM Digital Labを設立することになりました。サービス開発だけでなく組織変革も実現してくださった鈴木さんには、ぜひ組織の一員になってほしいと思い、取締役に就任していただきました。現在では、組織変革に欠かせない存在の一人になっています。

今後、Graatに期待することを教えてください
弊社社長鈴木と三部智英様

新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの消費活動が活発化しましたが、百貨店業界はまだ遅れをとっていると感じています。特にインターネットを活用して百貨店の店舗や商品、サービスの魅力を伝えきれておらず、実際に最近、百貨店に馴染みの薄い大学生と産学連携プロジェクトを通じて議論したところ、「百貨店ってこんなに面白いんですね!」と驚かれました。今後の可能性と感じたと同時に、百貨店の魅力である「対面での丁寧な接客」や「商品やサービスの質の高さ」などを知ってもらうこと、そしてそれらをオンラインに移行することの重要性を感じたのです。こうしたビジョンを達成するには、弊社のナレッジやリソースでは及ばない部分もあると思うので、ぜひ鈴木さんをはじめGraatさんにも引き続き力を貸していただき、オンライン・オフライン問わず、お客様との繋がりを深めていければと考えています。

Graat Point 01
仮説検証型のアジャイルな プロダクトデザイン

変化が激しい事業環境下では、市場からのフィードバックを反映させながら徐々にプロダクトを成長させる仮説検証型のプロダクトデザインが有効です。 Graatの価値定義支援は、複数部門の相互理解を促進しながら、アジャイルな仮説検証サイクルに不可欠な「小さな仮説」を設定し、サービス成長のフィードバックループの基礎を作ります。

Graat Point 02
「出島型アジャイル」で、 既存組織との関係を探索的に築く

日本の伝統的な企業には、既存の組織運営ルールとアジャイルチームの業務運営を分離しつつ、接点を明確に定義し、双方の交流をコントロールする「出島型」が適しています。 GraatのGraatの組織プロセス支援は、お客様のDX戦略に基づいて、出島(アジャイルチーム)を育てながら、本土(既存組織)との交流を段階的に拡大して行きます。