ビジネス要件をITに落とし込む アーキテクチャ設計研修
Graatのアーキテクチャ設計研修は、ビジネスケースを使いながら、ステップバイステップでモデリングを行い、システム開発に繋げていくための実践型研修です。一般的な座学ではなく、体験的にアーキテクチャ設計に触れることで、より深い理解につながります。
NTT東日本グループは、情報通信事業者として高品質で安定した通信インフラの提供を担い、昨今では身近なICT企業として地域の課題解決や価値創造に取り組んでいます。2023年10月に発足した先端テクノロジー部では、社内外における業務DXを推進しています。
中山:先端テクノロジー部は、もともとネットワーク事業推進本部の中の高度化推進部として、社内のネットワーク設備の運用・保守、それらのオペレーションの効率化にまつわる開発を行っており、中でもデジタル技術部門では、AIやWeb、IoT、データ活用の分野で業務DXの推進をミッションとしていました。
10月から先端テクノロジー部が社長直下の組織となり、新たなビジネス価値の創出や業務DXにおいても全社目線で推進する部署へと役割が広がっています。
また、社内で培ってきた運用のノウハウを、業務アプリを汎用化することで社外のお客様へ提案することにも力を入れています。
宮崎:もともとソフトウェア開発に関しては基本的に外注していたのですが、数年前にWebアプリケーションを内製で開発するチームを立ち上げました。まずは簡単なWebサーバー1台とデータベースサーバー1台のみの構成からスタートし、社内で使用する業務改善アプリを開発してきましたが、上手くできたアプリをコピーする形で開発を行っていった結果、アプリの数が膨大になってしまっていたのが課題でした。
機能が重複しているものを洗い出し、アーキテクチャ全体を見直す必要があり、その方法をレクチャーしていただける会社を探していました。
宮崎:インターネットで「マイクロサービス」「アーキテクチャ研修」で検索し、偶然出会ったのがGraatさんでした。
弊社と同じ通信業界の企業研修実績があり、業界についての知識をお持ちだろうという安心感があった点と、ご提案頂いた研修プログラムが非常に充実した内容だったという点が決め手になりました。
中山:ひとつのケースを深堀りながら、ワークショップ形式でサービスブループリントを書いていき、一気通貫でロバストネス図、ER図を書いたりという流れがとても勉強になりました。システムの変更や拡張性も含めたプログラムになっていたのがとてもよかったです。
私はマネージャーなので、コストや時間管理の重要性についてもコーチしていただけた点がありがたかったです。技術面だけではなく、実際の仕事をする上で重要になる点まで含まれていることが大きなポイントでした。
宮崎:今までコーディングやデータベースの中身の作り方、SQL文の書き方といった具体的な技術の研修は受講したことがありましたが、より大きなビジネス的な視点から開発に落とし込んでいく流れを学べたのがよかったと思っています。業務課題の設定から、システムの提案、設計まで、実装の手前にあたる上流工程の流れを体系的に学ぶことが出来ました。
また、ワークがとても多かったのが印象的で、普段、関わりの少ない他部署の方々とも一緒にグループワークを行ったことで、様々な視点に触れられたのは新鮮でした。自分が気づかなかった視点に他の方の意見から気づくことができ刺激的で有意義な時間でしたね。
中山:参加者からもらったコメントで印象的だったのは、我々通信業界では、あらゆる可能性を考えて細かく、漏れなく開発を進めることを優先しがちなのですが、ビジネス価値なども含めてバランス感を学べた、という声です。通信業界内のベンダーさんからはなかなか得られない視座だったと思います。
宮崎:各アプリの機能を洗い出し、マイクロサービスによる構築を進めています。必要な機能をAPIで呼び出すアーキテクチャの見直しを2ヶ月ほどかけて行い、認証やアカウント管理といった、全アプリに共通する部分をマイクロサービス化させることができました。
さらに、複数のアプリが存在していたお客様の契約処理といった部分も1か所にまとめてAPIでつなげています。少しずつですが、マイクロサービス化に向けて動いているところです。
中山:新しくツールを作る際に、今回受講したメンバーがサービスブループリントを起こして進めているのを見ると研修が活かされていると感じています。
これまで全体的な視点を持った研修を受ける機会がなかったため、個別の技術要素から考えてしまっていました。Graatさんの研修を受けたことでチーム内に共通言語ができ、同じ軸を持ってコミュニケーションしていけるようになったのは大きな収穫です。
今後、研修を受けていない社員に対しても同じような内容を伝える場を作れるように、社内の人材育成が課題ですね。
中山:社外へのサービス提供の推進にあたり、今まで以上に品質の向上が課題だと思っています。試験項目をきちんと設定して実施できているか、品質管理ができているか、運用体制をきちんと回せているのかといったテクニカルな部分について、一歩も二歩も踏み込んだ調整をして、レベルを上げていく必要があります。
また、いかにお客様のニーズを迅速に反映させられるか、将来を見据えてどのようなアーキテクチャにしておく必要があるかといった設計部分に関しては、実戦経験が足りないので研修で得た視野を活かしながら進めていければと思っています。
宮崎:今までは単体で動くアプリを作ってきていたところを、今後は基幹システムとシステム間連携をし、基幹システムの一部機能を内製チームで作りたいと考えています。今まで以上に設計書やAPIの仕様書を細かく作成することが求められるので、研修で受けた内容を踏まえて取り組んでいきたいと考えています。
また、次の課題としてアジャイルのスクラム運営を見直したいと思っています。研修の中ではアジャイルについては組み込まれてはいなかったのですが、質疑応答の時間でいろいろと質問させていただき、資料もたくさんいただきました。これらを参考に検討していきたいと思っています。
中山:お客様の課題に対応しながらシステム提案をしていく方や、エンジニアの中でも上流に携わっている方は得られるものが大きいと思っています。社内で業務改善をしている方にとっても役に立つのではないでしょうか。
チーム単位で受講することにより、チーム内で共通言語・共通認識を持つことができ、さらなる業務効率化にもつながっていくと思います。
Graatのアーキテクチャ設計研修は、ビジネスケースを使いながら、ステップバイステップでモデリングを行い、システム開発に繋げていくための実践型研修です。一般的な座学ではなく、体験的にアーキテクチャ設計に触れることで、より深い理解につながります。
Graatの研修はグループワークを中心としており、様々な視点を持ったメンバーのコミュニケーションが新たな気づきと発見を生むことを重視しています。現代のシステム開発においては、チームのコミュニケーションの活性化が、効率化につながります。