Web Almanac (Web年鑑) 2019が公開されました

4年以上前
酒巻 瑞穂
モダンWeb担当
酒巻 瑞穂

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Chrome Dev Summit 2019 に合わせて、Web Almanac 2019 が公開されました。

キーノート公演の22分あたりです。

この活動は Rick Viscomi 氏 を中心として HTTP Archive のメンバーによりWebの状態に関する年次レポートを作成する事を目的としたプロジェクトです。

Web年鑑とは?

ここでは目次の序文を翻訳したものを載せておきます。

The open web is an amazingly complex, evolving network of technologies. Entire industries and careers are built on the web and depend on its vibrant ecosystem to succeed. As critical as the web is, understanding how it's doing has been surprisingly elusive. Since 2010, the mission of the HTTP Archive project has been to track how the web is built, and it's been doing an amazing job of it. However, there has been one gap that has been especially challenging to close: bringing meaning to the data that the HTTP Archive project has been collecting and enabling the community to easily understand how the web is performing. That's where the Web Almanac comes in.

オープンWebは驚くほど複雑で、進化し続けるネットワーク技術です。 職業と産業全体はWebの上に成り立っており、その活気に満ちたエコシステムに依存した成功を収めています。 しかしウェブが重要であるのと同様に、それがどのようになっているかを理解することは驚くほど理解しにくいものでした。
2010年以来、HTTP ArchiveはWebの構築方法を追跡することを使命としており、すばらしい仕事を行っています。 しかし、完了させるのが特に難しいギャップが1つありました。それは HTTP Archive プロジェクトが収集しているデータに意味を持たせて、Webのパフォーマンスをコミュニティが簡単に理解できるようにすることです。そこで、Web Almanac が登場します。

The mission of the Web Almanac is to take the treasure trove of insights that would otherwise be accessible only to intrepid data miners, and package it up in a way that's easy to understand. This is made possible with the help of industry experts who can make sense of the data and tell us what it means. Each of the 20 chapters in the Web Almanac focuses on a specific aspect of the web, and each one has been authored and peer reviewed by experts in their field. The strength of the Web Almanac flows directly from the expertise of the people who write it.

Web Almanacの使命は、勇敢なデータマイナーにしか到達できないような洞察の宝庫を手に入れ、それを理解しやすい方法でパッケージ化することです。 これは、データを理解し、その意味を伝えることができる業界の専門家の助けを借りて可能になりました。
Web Almanac の20からなる章は、Webの特定の面に焦点を当てており、それぞれの分野の専門家によって執筆および査読されています。 Web Almanac の強みは、それを書く専門の人々の知識から直接来ています。

Many of the findings in the Web Almanac are worthy of celebration, but it's also an important reminder of the work still required to deliver high-quality user experiences. The data-driven analyses in each chapter are a form of accountability we all share for developing a better web. It's not about shaming those that are getting it wrong, but about shining a guiding light on the path of best practices so there is a clear, right way to do things. With the continued help of the web community, we hope to make this an annual tradition, so each year we can track our progress and make course corrections as needed.

Web Almanac の調査結果の多くは称賛に値しますが、高品質のユーザー体験を提供するために必要な作業の重要な備忘録でもあります。 各章のデータ駆動型分析は、より良い Webを開発するために共有する説明責任のひとつの形です。 間違いは恥ずかしいことではありません、より最適な方法への道筋を明確にし、物事を正しく行えるようにしましょう。 Webコミュニティの継続的な支援により、これを毎年恒例の伝統にしたいと考えています。そのために毎年、進捗状況を追跡して必要に応じて進むべき道を修正していきます。

There is so much to learn in this report, so start exploring and share your takeaways with the community so we can collectively advance our understanding of the state of the web.

このレポートからは多くのことを学ぶことができるので、調査を開始して貴方の知見をコミュニティと共有してください。 そうすれば、Webの状態に関する理解を共に高めることができます。

— Rick Viscomi, creator of the Web Almanac

備考:Rick Viscomi氏は Using WebPageTest の共著者であり、Chrome UX Report にも取り組まれている Google の Sr Web Developer Programs Engineer です。

活動など

Web Almanacはコミュニティ活動です。 この記事の時点で 85名の貢献者の方々が記事の作成、査読、編集、翻訳、データの分析と視覚化、ウェブサイトの構築とデザインを行っています。

その他、具体的にどのようなものかは Web Almanac 2019の方法論ページにおおよそ記載されています(まだ英語ですが……)

記事はページコンテンツ、UX、コンテンツの公開、コンテンツの配布などのカテゴリからなる20の章で構成されており、各記事の最後には記事の内容についてのディスカッションフォーラムも用意してあるので、フィードバックや感想を歓迎しています。

そして、Web Almanac は今回の Chrome Dev Summit 2019 発表トップ5に入りました。

終わりに

私は約半年前の5月末頃このプロジェクトに出会い、README.md に記載されていたこのタイムラインを見て衝撃を受けました。

仕事でこのような計画を立てる事は多くありましたが、新しく立ち上げるOSSプロジェクトでここまで計画的なスタートを切ったプロジェクトを見たのは初めてで興味を持ち、開発者と翻訳者の2つで参加しました。

約半年の期間でしたが、その中でもコンテンツのUX、デザインや開発、技術の選定など多岐にわたる論議に参加することができ非常にためになりました。

最終的にChrome Dev Summit 2019のキーノート中に私の名前も貢献者として名前を掲載して頂いた事はとてもありがたく思っています。

Web Almanac 2019 contributors

発表後もSEOなどの改善や翻訳作業など様々な課題が残っています。 現在、一緒に日本語への翻訳に貢献してくれる方を募集しています。

このコミュニティーの活動はWeb開発においても様々な知見を得ることができます。そしてWebがどのような方向に向かっているのをデータ駆動で見ていくことができます。
それは非常にワクワクする作業であり、参加することで新しい発見や気づきを得ることができるでしょう。 そして、2020年の記事に向けてこの記事の中で貢献者を募集しています。

私個人も開発者と翻訳者以外の立場としても、このコミュニティに参加と貢献をしていければと思います。

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