DDX Tokyo前日 VIPイベントレポート — サービスデザインでつなぐ、組織とチームのズレ

約2時間前
Graat セミナー事務局
Graat セミナー事務局

2026年2月3日、DDX Tokyo 前日に VIPイベントが開催されました。

その中で、Graat代表・鈴木雄介による講演
「サービスデザインが、日本企業の組織とチームをつなぐ」
が行われ、日本企業におけるDX推進の難しさと、その背景にある構造が浮き彫りになりました。

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DDX Tokyo VIPイベントは、講演と対話を組み合わせたクローズドな場として実施されました。
ここでは、講演内の印象的なポイントをいくつかご紹介します。

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チームと組織の「リズムのズレ」

チームは動いているにもかかわらず、意思決定やリリースに至らないことがあります。 現場では手応えがあるにもかかわらず、どこかで止まってしまう状態です。

講演で示されたのは、その背景にある構造でした。

「チームの活動リズム」と「組織の意思決定リズムのズレ」

チームは日々、あるいは週単位で意思決定を行います。
一方で、組織の意思決定は月次や四半期単位で行われることが多い状況です。

さらに、日本企業では部門間の合意形成が前提となる場面も少なくありません。 その結果、チームとしては進んでいても、組織としては動きづらい状態が生まれます。

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構造として生まれる停滞

この停滞は、個人やチームの問題ではありません。 組織構造の中で発生するものです。

企業は成長とともに分業が進み、業務はルーティン化されます。
その結果、部門ごとの最適化が進み、部門同士が分断された状態(サイロ化)が生じます。

それぞれが役割を果たしていても、組織全体としてはうまく機能しない――
このような状態は、宇田川元一氏の著書『企業変革のジレンマ』において「構造的無能化」と表現されています。

また、成熟した組織ほど、新しい取り組みが既存の合理性に押し戻されやすい点も示されていました。

現実的なアプローチ

では、どのように対応するべきか――
講演で示されたのは 「今できることから始める」 という考え方です。

習慣や構造はすぐには変わりません。 そのため、現場の問題に対して小さく試行しながら進めていく必要があります。

実際に手を動かしながら検討を重ねていく中で、 これまで見えていなかった前提や関係性が少しずつ整理されていき、 その積み重ねが、変化のきっかけを生み出していきます。

サービスデザインの位置づけ

この文脈で提示されたのが、サービスデザインです。

サービスデザインは、見た目や体験設計にとどまるものではありません。
人間中心、共創、反復、全体視点といった原則に基づき、問題を構造的に捉えます。

特に重要なのは、異なる立場の関係者が同じ場に集まり、 同じ視点で議論できる状態をつくる点です。

その結果、これまで分断されていた認識や前提が揃い、 チームと組織の間をつなぐ動きが生まれます。

ワークショップでの実践

講演では、サービスデザインの手法を用いたワークショップ事例が紹介されました。

現場に近いメンバーが集まり、業務やサービスの流れを整理します。 その過程で、前提や認識の違いが議論の中で明らかになっていきます。
また、問題は顧客接点だけでなく、その前段の業務プロセスにも存在していることが整理されました。

議論は、アイデアの良し悪しだけでなく 「組織内で実現可能か」 という観点を含めて進められます。

この取り組みを通じて、参加者からは次のような声が挙がりました。

  • チームでの検討が可能になった
  • 問題を構造的に把握できた
  • 実現可能な方針を策定できた

いずれも、実務の中で手応えとして現れた変化です。

「設計」と「実装」をつなぐ

このような変化が生まれた背景には、デザインの捉え方があります。

「デザイン」は見た目に限定されません。 価値の設計と、その実現方法の両方を含みます。

どのような体験を設計するか
それをどのように実現するか

この両者をつなぐことが、構想を実行に移し、取り組みを前に進めるうえで重要です。

構想と実装の間にあるギャップをどう埋めるか。
それが、日本企業における重要な論点として提示されていました。

まとめ

チームと組織のリズムのズレは、構造的に発生する課題です。
その背景には、意思決定の単位や関係性の違いがあります。

サービスデザインは、関係者が同じ視点に立ち、 構想と実行をつなぎながら、現実的な解決に向けて進むための実践として機能します。

 

なお、本記事ではVIPイベント講演内容の一部のみをご紹介しています。
ワークショップの進め方や具体的な取り組みについては、 3月末に開催されるウェビナーでもご紹介する予定です。

詳しくは、以下の画像よりウェビナーの詳細をご覧ください。

エンタープライズDXセミナー:DXが社内調整ばかりで前に進まないと感じたら
― サービスデザインでチームと組織をつなぐ 開催のお知らせ
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参考リンク

DDX Tokyo
https://www.ddxconference.com/tokyo

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─ UX文脈でサービスデザインを“実装”につなぐ
https://www.graat.co.jp/blogs/cmkqrc4gteqin07ztpso5w09j

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